アンティークな鍵を拾いました

校内を歩いていて、アンティークな鍵を拾いました。通りかかった物理の先生に見せると、素材が古いものだしおもちゃの鍵ではないと思うとのこと。それでは落し物なので先生に託そうかと思ったのですが、先生はこれから留学のために休学となる生徒との面談があるので、対応ができないと行ってしまわれました。さて、どうしたものでしょうか。

この学校は私たちが入学する直前の年に校舎の建て替えが行われ、エレベーターや冷暖房が完備された、最新式の校舎です。この施設に気に入って入学した人も少なくありません。ですから、このようなアンティークな鍵を使う場所というのが、全く想像できないのです。私が鍵を拾った場所も、階段の踊り場です。どこかの教室内や教室の前ならあてもありそうなものですが、踊り場にはそれらしいものは全くありません。

階段を上りきったところには水洗い場がありますが、鍵が使われるような設備はありません。そのまま水洗い場を横にすぐ側にある教室を覗いてみると、そこは視聴覚室でした。暗幕カーテンが半分以上ひかれ薄暗い教室内は、先生も生徒も誰もいません。覗き込むためにドアに体重をかけると、鍵がかかっていなかったので、ドアがすっと横に開きました。なんとなく教室に入ってみると、まず最初に目に入ってきたのが、明らかに古い、木製のキャビネットでした。キャビネットには書類や書籍、古い実験器具のようなものが入っていて、その全ての扉に鍵穴があることがわかりました。試しに1番近くの鍵穴に先ほど拾った鍵をさしてみると、なんとぴったり、鍵穴と合致しました。

そしてその鍵は、そのキャビネットの全ての鍵穴に合致する仕組みになっていて、そもそもキャビネットに鍵はかかっていませんでした。鍵の持ち主はわからないままですが、鍵が合うことはわかったので、私は処分に困っていた拾った鍵を、キャビネットの鍵穴に差し込んだままにしてその場を離れました。